OpenOfficeマクロプログラミング
高機能オフィススイートの定番フリーソフトOpenOffice.orgに搭載されているマクロ機能(OpenOffice.org Basic)の入門書です。表計算ソフトCalcやデータベースBase上で実際に簡単なマクロを組みながら、Basicマクロの基本的な仕組みやセル、ファイルの操作などOpenOffice.orgの機能を使ってみます。
前半では、OpenOffice.orgに搭載されている開発環境でBasicのコードを入力しCalcのシート上で実行する流れから、基本的なBasicの構文や変数・関数の扱い方を、すぐに試せる短いサンプルプログラムを中心にまとめてみました。後半では、OpenOffice.orgに搭載されているGUI部品を使ったプログラミングやOpenOffice.orgの機能をマクロから利用する際の仕組みを試し、最後に総まとめとしてCSVデータの処理を行う実験マクロを作ってみます。
サンプルソースを多めに盛り込み、実際にOpenOffice.orgのマクロ環境でのプログラミングを試しながらマクロの書き方、処理の組み立て方を掴んでいただけるよう配慮したつもりです。
CSVなどのデータファイルを読み込んでCalcのセルやBaseのデータベースにデータを設定し、条件によって特定の処理を行ったりネットワーク上のサーバーに更新データを送信する……高機能オフィスで自在な「自動処理」を実現するマクロを活用すれば、普段の「面倒で定型的な作業」の負担を大きく軽減できるかもしれません。
Microsoft OfficeのVBAと比べると、マイナー感の漂うOpenOffice.org Basicですが、かなり強力な機能と何より「フリーソフト」の強みがあります。うまく活用して日々の作業の効率化に役立てたいものですね。
「OpenOfficeマクロプログラミング」主な項目
第一章マクロの基本
- マクロとは
- 簡単なマクロの作成
- ユーザー側からの入力内容を処理するマクロ
- WriterやCalcの画面からマクロを実行する
第二章マクロ・プログラミングの基礎
- 変数
- 変数を使った計算
- 数値と文字列を組み合わせた演算
- 関数
- 条件分岐
- ループ処理1
- 数当てゲーム
- 配列
- ループ処理2
- 多次元配列
第三章OpenOfficeマクロに用意されている、便利な機能
- CSVの処理
- ファイルの読み込み
- オブジェクト
- インターフェース
- ダイアログの作成
- イベント・ハンドラ
- XMLの処理
第四章マクロとアプリケーションの連携
- Calcの表計算シートの扱い方
- セルの扱い方
- CalcシートにGUI部品を配置
- Calcのシートに図形を配置
- Excelの「VBAマクロ」を使う
- データベース「Base」
第五章CSVファイルの「整形」「自動処理」
- CSVファイルを特定の条件で処理する
- 付録1「OpenOffice.org」のインストール
- 付録2「OpenOffice.org」の派生ソフト「Go-OO」
- 付録3 困ったときのために
- 付録4 「OpenOffice.org Basic」予約語一覧(本書関係分)
- 索引