少しの間ですが、高機能デジタルカメラDMC-FZ150を使う機会がありましたので、使用感などをメモ。

DMC-FZ150は、1/2.3インチ1280万画素MOSセンサーと35mm換算24-600mm相当の光学24倍ズームレンズを搭載するコンパクトデジタルカメラ(にメーカーは分類しているらしい)です。フルHDの解像度で60FPS(プログレッシブの毎秒60フレーム)記録を実現したAVCHD Progressive動画撮影機能や、フルマニュアル撮影機能、RAW撮影対応など非常に高機能なのが特長ですね。

一通り撮影してみてまず感じたのが、「画像処理プログラム開発のための実験素材」を撮影するのに便利そうだな、ということでした。DMC-FZ150はマニュアル撮影とRAW記録が可能でオートブラケット(露出を変えながらの連写)やセルフタイマーからの連写にも対応しているので、「意図した条件での連続撮影」が簡単にできるんですよね。

露出のみを変えた連写画像でHDR合成によるダイナミックレンジ拡大を試してみたり、撮影条件を揃えた複数枚画像でコンポジット合成を行ってノイズ除去の効果を検証したり、と各種の画像処理アルゴリズムの実験に適した素材を作るのに好都合でしょう。

実際、私も今後の実験素材を確保するため夜間にDMC-FZ150を持ち出して近所の公園や川原などで高感度撮影の画像を撮りためましたっけ。露出やホワイトバランス、シーンなどの設定をボタンで素早く変更できるので、操作の面から見ても「意図した条件での素材撮影」に適したデジタルカメラです。

ただ、重量感のある大き目な筐体なので小さな三脚だと保持できないことがあります。安定した状態で撮影を行いたい場合は、重量を支えられる三脚を使ったり平面上に置いてセルフタイマーを使うべきでしょう。

動画に関しても、マニュアル露出が可能でフルHD/60pのAVCHD Progressiveや通常のAVCHD、さらにmp4動画にハイスピード動画……と多くの記録形式に対応しており非常に高機能です。高倍率ズームレンズと合わせて、メインの「ビデオカメラ」として十分使えるのではないでしょうか。

DMC-FZ150の画質に関しては、ネット上でも割と高く評価されていますが、実際なかなかのものです。特に高感度は。ISO3200で撮影しても細かなノイズは目に付くものの画像が「埋もれる」ような感じではありませんし、細部や色もそれなりに再現されています。

メーカーによると、「センサーの受光面積を拡大することで、集光効率を向上し受光感度を改善。高感度撮影で起こりやすいノイズの発生を低減」したそうで、高感度撮影のノイズ低減に力を入れたのでしょうか。1/2.3インチ型素子に1200万画素以上詰め込んでおいて「受光面積を拡大」というのはどうかとは思いますけど。
まぁ画質面の評価が芳しくなかった前機種FZ100は、撮像素子に1/2.33インチ1510万画素MOSを搭載していましたから、それに比べれば確かにDMC-FZ150は「受光面積を拡大」したことにはなりますかね。

全体の印象としては、「万能型ちょっと大きめカメラ」としてよくまとまった一台です。とりあえずこれ一台持っていけば、さまざまな機能を駆使しながらまずまずの画質で静止画や動画を撮影できます。
広角側での風景撮影、遠くにある被写体の望遠撮影、夜間の高感度撮影、フルHD動画……いずれも「最高」とまでは行きませんが、「十分」な品質と快適な操作性で対応できるのが魅力ですね。

また、プログラマやコンテンツ制作者から見れば、柔軟なマニュアル機能と連写機能を活かして高機能な「素材」撮影カメラとして活用したくなるのではないでしょうか。


創作プログラミングの街 > ノート